「エリア」ではない。イタリア語で「アレア」と読むべきである。
「イタリアン・プログレッシヴ・ロック・ヒストリー」CDの記事で出て来た、“正にプログレ色の強い、そして実験的でインプロヴィゼーションに頼るところの多い作品”と思った。
バンドのヴォーカリストであるエジプト生れのギリシャ人、デメトリオ・ストラトス(Demetrio Stratos) を中心として結成された、基本的には中東~地中海あたりの音楽要素を積極的に取り込んだ、ワールドワイドな音色とメロディ、リズムを有するプログレ・バンド、それが今回紹介する AREA である。
他のメンバーは、ジュリオ・カピオッツォ(Giulio Capiozzo, Dr) 、パトリツィオ・ファリセッリ(Patrizio Fariselli, Piano/electro-Piano) 、アレス・タヴォラッツィ(Ares Tavolazzi, B) 、パオロ・トファーニ(Paolo Tofani, G) である。 (ちなみに、“エレクトリック”ギター はイタリア語で Chitarra“elettrica” という)
また、「Crac!」 「Are(A)zione」共に、1975年初版、2011年リマスター&SHM-CD発売 である。
AREA 「Crac!」
オビ:「'75年リリースの3作目。中近東的メロディに、ジャズ・ロック、フリー・ジャズ、現代音楽などのコンテンポラリー音楽の要素がこのアルバムで究極のミクスチャーを見せた傑作。」
1. L'efante bianco
2. La mola di Odessa (1920)
3. Megalopoli
4. Nervi scoperti
5. Gioia e rivoluzione
6. Implosion
7. Area 5
3., 4., 6., 7.はインスト。 また、1.~ 5.は「白い象」 、「オデッサのリンゴ」 、「巨大都市」 、「のたうつ怒り」 、「栄光と革命」 という邦題タイトルが付けられている。 ( 6.と 7.は、イタリア語式発音そのまんまである)
点数は、78点。 聴いていて、「良い」とか「悪い」とかいう判断基準を超えた、「聴ける」か「聴けない」か,という独特のモノサシでしか測り得ない存在 と感じた。
「Are(A)zione」
オビ:「アレア初のライヴ・アルバム。 その実力はスタジオ作でも十分にうかがい知ることができたが、このアルバムで、想像以上の超絶技巧の演奏を繰り広げてファンの度肝を抜いた作品。」
1. Luglio, Agosto, Settembre (nero)
2. La mela di Odessa (1920)
3. Cometa rossa
4. Are(A)zione
5. Internazionale
4.と 5.はインスト。 また、1.~ 5.は「7月、8月、9月(黒)」 、「オデッサのリンゴ」 、「赤い彗星」 、「アレ(ア)ツィオーネ」 、「インター」 という邦題タイトルが付けられている。
点数は、78点。
2枚とも、物凄く、“インプロヴィゼーションに任せた”感のある、フリージャズとか初期プログレとかの要素を強く感じさせてくれる作風である。
「これまでに紹介してきた70年代ブリティッシュ・プログレを、アヴァンギャルドにした上でフリージャズ・スタイルな要素を大幅に付け足した」というようなイメージを持った。
プログレ/ネオクラシカル・デス という分野への影響を考えると、SADIST や GOROD 、OBSCURA への発展が考えられる。 そして、後に別記事で紹介する NEW TROLLS が、FLESHGOD APOCALYPSE や (ギリシャの)SEPTICFLESH への派生となる というようなイメージを受けた。
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テーマ : PROGRESSIVE ROCK
ジャンル : 音楽